熱中症の症状の一つ「発熱」。
熱中症は、身体の中の熱をうまく放出できなくなり体温が高くなることで起こります。
重症化した「熱射病」にまで症状が進むと、40度以上という異常な高熱が出ます。
このくらいの高熱になると意識も朦朧としてくるし、最悪命にかかわってきますので、
すぐ病院に行った方がいいでしょう。
ただ、高熱が出る前の段階でもし自分で応急処置ができるようでしたら
やっておいたほうがいいでしょう。
早い段階(大人で38度以下、子供で38.5度以下)で対処すれば、
高熱が出るのを抑えてくれますし、熱が下がった後の回復も早くなります。
今回は熱中症により発熱したときの対処の仕方を紹介します。
熱中症による発熱の治し方
熱中症により発熱があった場合、基本的には「熱中症の応急処置」と同じような
対処法で大丈夫です。
具体的には以下の通りです。
・涼しい場所で休む
できればエアコンの効いた部屋で休むようにしてください。
設定温度も26度~28度を目安として冷やしすぎないようにしましょう。
・身体を冷やす
首の両外側
両脇の下
足の付け根の前部分
このように太い静脈が流れている場所を冷やしてください。
冷やす時はタオルに巻いた保冷材や氷で冷やすようにしてください。
氷や保冷剤を直接身体に当てたら冷やし過ぎになってしまいますので注意が必要です。
またシャツなどのボタンを外して衣服を緩め、熱が外に逃げるようにしてください。
一点注意点として……「おでこ」は冷やさないようにしましょう。
理由は熱中症でおでこを冷やしてしまうと、
脳が「体が冷えた」と勘違いしてしまうため、
体温を下げるのに必要な汗をかく信号を伝えなくなります。
・水分補給
水分補給としては、塩分・ミネラルが含まれ、水分とともに
効率的に体内に吸収されるような飲み物が好ましいです。
具体的にはスポーツドリンク、経口補水液などです。
熱中症の発熱に解熱剤は?
結論から先に言いますと……
熱中症の熱は解熱剤では下がりません!
これは風邪やインフルエンザで上昇した発熱と熱中症による発熱のメカニズムが
異なるためです。
そもそも解熱剤とは体温設定が異常に上昇してしまったときに
体温設定を正常に戻すことを役割としています。
風邪などによる発熱の場合、ウイルスや細菌に感染してしまい、それらの増殖を抑えるために
白血球の働きが活発になり免疫機能が高まります。
そのとき、発熱した状態のほうが身体に有利な状態になるため、
脳では体温設定が上がり熱も上がるのです。
そのため解熱剤が効くのです。
それに対して熱中症による発熱の場合、身体の中の熱をうまく放出できなくなり
体温が高くなることで起こるので、脳の体温設定温度は正常なため
解熱剤では効果が出ないのです。
熱中症の発熱はどのくらい続くの?
熱中症による発熱は、体内のミネラルバランスの乱れによる脳のトラブルが原因です。
つまり基本的にはそれらの「乱れ」が回復したら、発熱も治まります。
適切な対処を行えば体内のミネラルバランスは2~3日で回復するのが一般的です。
もちろん症状の状態や体調次第では一週間程度かかる場合もあります。
ただ、翌日に熱が下がり回復したように感じることもありますが、発熱により
脳へのダメージがありますので無理しないでください。
一度熱中症になるとしばらくは、熱中症にまたかかりやすいので注意してください。
熱中症による発熱のまとめ
今回紹介した対処法などは、あくまでも高熱が出る前の応急処置的な対処法です。
高熱が出た時、もしくは応急処置をしても症状が悪化した場合はすぐに病院に
行くようにしましょう。
特に、一人暮らしのかたなどは急に症状が悪化して意識を失ってしまったら
気が付いた時には重症化していたなどよくあります。
最悪そのまま気が付けないということも……
熱中症かな?と感じたときには決して無理はせず、なるべく一人ではいないように
してください。