熱中症での頭痛や吐き気……ついつい無理してしまう方もいるのでは
ないですか?
「頭痛くらい一晩寝れば大丈夫!」などと甘く考えていないですか?
確かに普通に生活していたら頭痛や吐き気くらいでわざわざ
仕事やすんでまで病院に行かないですよね。
上司に「頭痛で仕事休みます」とか「気持ち悪いので仕事遅れます」とは
なかなか言えないです(>_<)
逆に部下やバイトがそんなこと言ってきたら……やる気あるのかと思ってしまう
ひとも多いでしょう。
それでついつい無理してしまうんですよね^^
今回は熱中症での頭痛や吐き気が続いたときに気を付けることを
まとめてみました。
熱中症で頭痛や吐き気が続くと……
「一度熱中症にかかるとちゃんと病院に行って点滴を受けないと治らない」
ということを聞いたことないですか?
これはまるっきり正しい訳じゃないですが、あながち間違っている訳でもないのです。
下記で詳しく述べますが、実は熱中症には症状によって3レベルに分類され
そのうちの軽い症状だったら早めの応急処置と適切な対処で病院に行かなくても
完治します。
しかし一定レベル以上まで症状が進行してしまうと自力で完治させるのに
時間がかかるのです。
それがただの頭痛や吐き気でもです。
熱中症による頭痛や吐き気は、水分不足による脱水症状や、体温の異常上昇によって
脳に影響が出てくることからおこります。
そうした場合、一度狂った体の状態をもとに戻すまでずっと頭痛や吐き気が出てくる
ことがあります。
一晩寝れば治る頭痛と思っているひとにとっては、何日も症状が続いてしまうと
病院で点滴を受けないと治らないと感じてしまうのでしょう。
なかにはすぐに治るひともいますが、
場合によっては頭痛や吐き気にとどまらず、症状が悪化してしまうケースもあるので
十分に気をつけましょう。
決して「頭痛」ぐらいといって甘く考え無茶しないでください。
その頭痛や吐き気は段階をふんで進んでいく熱中症の重症化のサインかもしれないのです。
そして重症化の行きつく先には命にかかわってきます。
熱中症で病院にいく目安は?
熱中症の診療指針について日本救急医学会が「熱中症診療ガイドライン2015」
をまとめました。
同ガイドブックでは、熱中症の重症度を1度から3度までに分類し、
各レベルごとの対処法を掲載している。
熱中症「Ⅰ度」
(軽度)
「めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)」
といった症状が現れます。意識障害はありません。
従来の分類では、「熱失神」、「熱痙攣(けいれん)」、「日射病」に当てはまる状態です。
対処法としては、涼しい所で休ませて身体を冷やし、失われた水分と塩分を飲み物で
摂取させるなどの応急処置をして様子を見ます。
良くならないようであれば、医療機関を受診させます。
熱中症「Ⅱ度」
(中等度)
症状は、「頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下」があげられます。
従来の「熱疲労」に相当します。
虚脱感とは身体に力が入らない状態を意味しています。
Ⅱ度での判断力の低下では、自分の名前や生年月日が言えなくなる、
日付や現在の場所や自分の状況が分からない(見当識障害)などの意識障害が表れます。
応急処置では対処できないため、早急に医療機関へ搬送する手続きを取ります。
熱中症「Ⅲ度」
(重度)
「意識障害、小脳症状、痙攣発作、肝・腎機能障害、血液凝固異常」などの症状が現れます。
従来の区分における「熱射病」に当てはまる症状です。
痛みや声かけといった刺激を与えなければ目を開けない状態、
さらに進むと刺激に対して反応が鈍くなるといった意識障害もあらわれます。
一刻も早く医療機関へ連れて行き、入院による治療を受けるレベルです。
上記のようにガイドブックでは「頭痛」「吐き気」はⅡ度の中等度のレベルです。
本来は病院に行った方がいいレベルです。
思ってたより深刻な状態ではないですか。
ただの頭痛と思い、すぐ治るだろうと甘く考えていると
いつまでも完治せずつらい日々が続いてしまいます。
どうしても病院にいけない方は、せめて不摂生な生活はやめて長めの睡眠をとり
無理のない生活をするように心がけましょう。
熱中症が回復するにはどれくらいの期間がいるの
一旦熱中症になると、完全に体が元の状態に戻るまでは2~3日、1週間、
またはそれ以上と個人差もかなりあります。
これは熱中症になった時の元々の体の状態によって個人差があるためです。
とはいえ、その間は体調不良でずっとつらい日々が続くということです。
そう考えるとやっぱり早めに病院に行って治療を受けたほうがいいでしょう。
ただ、一旦熱中症になると完治するまでは再び熱中症になりやすくなるので
きちんと体が回復するまでは無理をせずに安静にしておくことが大事です。
熱中症での頭痛や吐き気のまとめ
熱中症の「頭痛」や「吐き気」を甘く考えないようにしましょう。
その症状がもしかしたら重症化へのサインかもしれません。
決して初期症状での軽いものではないので可能なかぎり病院に行って
治療をうけましょう。
また急激に症状が悪化して意識がなくなることもあるので、
症状がよくなるまではひとりにならないようにしてください。