夏が近付くにつれていたるところから耳にする「熱中症」という言葉、
実はそれほど昔から使われている訳ではありません。
30,40代の方でしたら「日射病」などという風に小さい頃は呼んでいたのでは
ないですか。
それがいつからか……恐らく2000年位かと思いますが熱中症と呼ばれるようになり、
いまでは真夏のピーク時には「熱中症」という言葉を聞かない日はないと
言えるくらいよく注意勧告されています。
しかし漠然とこんな病気かなぁと思っていても
「そもそも熱中症とはなに?」
と聞かれてちゃんと説明できるほど分かっているひとは少ないと思います。
今回はそんな熱中症についてまとめていきます。
熱中症の初期症状その対策は?
そもそも熱中症とは
気温が高い状態が長く続くと、発汗して、水分や塩分が失われてしまい、
また湿度が高いと、汗が蒸発せず、熱がこもったままの状態になった結果、
体の中の熱が放出されなくなってしまう状態です
このような状態に気付かないまま対処が遅れると命に関わったり、後遺症が
残ってしまうこともあります。
ですので、熱中症のサインを早めに自覚し、早急に応急処置を行う
必要があるのです。
まずは熱中症の代表的なサインをまとめてみました
・めまい・立ちくらみがする
・生あくびが頻発する
・頭痛
・吐き気や嘔吐がある
・手足のけいれんが出る
・身体がだるくなる
・まっすぐに歩けない
・汗が出過ぎたり、出なくなったりする
これらのサインがでたら早めに涼しいところに移動させ、水分・塩分を補給
させることが命を救うことに繋がります。
決して無理はせず、こまめに休憩を取りましょう。
熱中症はどの症状で救急車を呼んだらいいの?
自分で救急車を呼ぶという行為に抵抗を感じるひとは非常に多いでしょう。
熱中症は初期症状の状態だと、涼しいところに移動したり、身体を冷やしたり、
水分補給などの応急処置で回復できます。
しかし重度の熱中症だと命の危険がある、ということを気にしてしまうと
自分で救急車を呼ぶ、呼ばないの判断がとても重い判断をしなくては
いけないと感じてしまいます。
ここでは救急車を呼ぶべき症状を紹介していきます。
まずは熱中症には4種類のタイプに分けられます。
原因:熱を体外に逃そうとして皮膚の血管が広がり、その分脳への血流が減る
症状:めまい・冷や汗・一過性の意識障害など
熱けいれん
原因:汗をかいた時に、塩分補給をせず水分だけ取ったため、
血液の塩分濃度が低下する
症状:手足のけいれん・筋肉痛・足がつるなど
熱疲労
原因:大量の汗をかいているのに水分補給ができない
症状:全身の倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛など。体温上昇は40℃以下
熱射病
原因:脱水症状の悪化や体温調節機能が働かないため
症状:40℃以上の体温上昇・発汗停止・意識障害・全身の臓器の障害
熱失神、熱けいれんは早めの応急処置で治療可能です。
しかし熱疲労、熱射病が疑われた時はすぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
と、言うように知識では分かっていても実際にその現場に立ち会うと
なかなかどのような状態か判断が難しいことがあります。
そのようなときの一つの目安として
①自分で飲み物を飲めるかどうか
②話しかけられたことに正しく返答できるかどうか
この2点を目安として救急車を呼ぶ呼ばないの判断をしましょう。
自分でもできる熱中症のそれぞれの症状に対する応急処置
熱失神
皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳血流が減少して起こります。
脈は速くて弱くなります。
足を頭より高くし、涼しい場所で休ませましょう。
熱けいれん
大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が
低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。
応急処置としては、塩分の補給をしましょう。
1リットルの水に9gの食塩を入れた生理食塩水を作り、それを飲むことで回復します。
熱疲労
大量に汗をかき、水分の補給が追いつかないと、
身体が脱水状態になり熱疲労の症状がみられます
大量に汗をかいたことにより重症の脱水症状を起こしているため、
塩分を含んだ水分を補給してください(スポーツドリンクで構いません)。
また、脳に血液が回りにくくなっているため、熱失神と同じように足を頭より
高く上げて休ませます。
熱射病
体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。
意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がみられたり、
ショック状態になる場合もあります。。
体温が異常に高くなってしまっているため、できるだけ早く体温を下げる必要があります。
熱射病を疑ったら、すぐに救急車を呼びましょう。
到着するまでの間、首や腋窩部、鼠径部に氷や保冷剤などを当て、体温を下げます。
乳幼児や高齢者の場合、脱水症状になっていても身体が反応していない場合があり、
熱中症のレベルが思っていた以上に悪いことがあります。
もし高齢者が炎天下で体調が悪いようであれば、自己判断はせずに病院に連れて行きましょう。
熱中症の初期症状や応急処置のまとめ
熱中症の症状は進行スピードがとても早いので、疑わしく感じたらすぐに
応急処置を行いましょう。
また会話が成り立たないような意識障害がある場合はすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
熱中症は幼児から大人、高齢者まで、そして屋外・室内問わず発症する
可能性があります。
自分は大丈夫だと油断せず、日々熱中症の対策は行うようにしましょう。